(葛飾北斎「雪末鷲図」、諸葛監「飛燕図」)
入館料は大人500円、
月曜(祝日の場合は火曜)休館。
菱川師宣記念館(0470―55―4061)へ |
大陸から伝来した漢画と日本古来の大和絵が融合して、日本に狩野派や琳派など様々な画派が生まれました。それらの画派に共通して描かれた画題に、四季の移ろいを花や鳥、動物に託した花鳥画があります。特に享保16年(1731)中国から招かれ、長崎に滞在した沈南蘋(しんなんぴん)は、写生風の清代花鳥画を伝え、江戸から集まる青年画家たちを指導し、日本の花鳥画に大きな影響を与えました。自然に注がれた鋭い眼差しや風雅な心がこめられた花鳥画は、江戸後期、町人上層や文人の間で大いに流行しました。
この展覧会は、花鳥画のコレクションとして国内屈指の寺島コレクション(財団法人 寺島文化会館)から、南蘋派の宋紫石(そうしせき)、諸葛監(しょかつかん)、奇想派の曽我蕭白(そがしょうはく)、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)をはじめ、琳派、円山四条派、狩野派、浮世絵などで活躍した花鳥画の名手たちの詩情あふれる作品を一堂に紹介します。特に葛飾北斎の「雪末鷲図」は、明治以来、海外に流失していた幻の名画で、日本に里帰りして105年ぶりにこの展覧会での公開となります。
自然に向き合い、情緒豊かで緻密に描かれた花鳥画を通して、江戸の絵画芸術の真髄を堪能していただきたいと思います。(全文パンフレットから) |